|
|
|
|
|
|
「魔女」という呼称には、様々な意味がある。
- 古代の巫女。
- 中世の田舎の老婆。主に街外れに一人で暮らし、占いやまじないなどの自然魔術を行なったもの。これは hag と呼ばれる。
- 魔女狩り時代に想定された、悪魔に魂を譲り渡したもの。サバトでの乱交や幼児殺害など非道徳的行為を行うもの。
- サタニスト、妖術使、黒魔術師などの弟子・信者。現代においては黒魔術系カルトなどの一般信徒。
- 古代の女神信仰・月神信仰などキリスト教以前の宗教に源泉をおく信仰体系を実践するもの。これはキリスト教からみれば、異教徒(pagan)であるが、キリスト教と対立するものではなく、キリスト教以前の(Pre-Christian)宗教である。現代におけるこれらの魔女は、その信仰体系をwitchcraftに代えてwiccaと呼び、同様にwitchに代えて自らをwiccanと呼ぶ。wiccanは同時にpaganであるとも自称するが、特に現代のpaganという点を強調する場合には、neo-paganといっている。wiccanとpagan/neo-paganは、いずれもほとんど同じ意味であるが、paganのうち魔術的な参入儀礼や儀式を行うものがwiccanと呼ばれることが多い。
- 超能力者、霊媒などの特異能力者を差別する際の蔑称。
上記のように、「魔女」という概念は非常に範囲の広い意味を含んでいる。そのため特に現代においては、自分が魔女であると自称すれば、それで魔女となりうる程度の非常に曖昧なものとなっている。
|
|
|
|
|
上図に示したように、現代において魔女は、いわゆるカルトの信徒と魔女(wiccan)に分類される。大雑把な分け方をすれば前者は男性原理に基づくものであり、後者は女性原理に基づくものであるということができる。
一般にカルトは位階制に基づいた結社であり、組織の営利を目的とする商業化したオカルトであるともいえる。wiccanでは逆に、上下関係の少ない共同体であり、自然回帰や愛を目的とする場合が多い。 |
|
|
|
|
|
|
|
魔女と魔術の事典
著者:ローズマリ・エレン・グィリー
出版社:原書房
価格:4893円
|
|
|
|
魔女の神
著者:マーガレット・A・マレー
出版社:人文書院
価格:2940円
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|