上に示した図版は、十五世紀のイギリスの錬金術師トマス・ノートンが著わしたとされる『錬金術式目』("The Ordinall")中のものである。
太陽と月という対立の調和を図る双頭のドラゴン。それは硫黄と塩のバランスを取る水銀の象徴でもある。対立物の合一、それはすなわちアゾートの謂いでもある。
ノートンの師である、ジョージ・リプレーは賢者の石の製造法について言っている。「一なるものから三を分離せよ、さすれば石が手に入る」。